障害者雇用率をごまかした中央官庁は詐欺?

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障害者雇用率水増しが発覚

参照先 https://works.litalico.jp/syuro_shien/about/

中央省庁の33機関が障害者雇用率を水増ししていた問題が発覚しました。

これって障害者にとっては驚きも驚き、最も率先して障害者雇用率を高めなければならない中央官庁がなんと42年間にわたり水増ししていたということを聞き、 詐欺でもあったような気持ちです。

国の障害者雇用率は2.5パーセント以上なっており、これまでの国の発表では、各省庁はこの基準を上回っているという報告がされていましたが、なんと中央省庁の8割が水増していたことが明らかになりました。

わずかに達成していたのは金融庁や警察庁など6機関だけだったといいます。

厚生労働省のガイドラインによりますと、雇用率に算入できるのは「障害者手帳を持っている人や医師の診断書を持っている人に限られる」 となっていますが、民間にはこの基準を厳しく守らせている一方、国の機関には調査もせず各省庁にまかせたままにしていたのです。

杜撰でしかも障害者雇用を真剣に取り組む姿勢がない縦割り行政が明らかになりました。

障害者への冒涜

「障害者施策は国の重要政策」とし、障害者雇用促進法をはじめ障害者権利条約の批准、障害者虐待防止法、障害者差別解消法などの法整備を進めてきた国の姿勢は、一体何だったのか。

民間企業や国民には「障害者の権利の尊重」「共生社会の実現」などを掲げて厳しく指導する見せかけをしながら、国そのものの考えは、「障害者は使い物にならない」という、旧態依然の古い障害者差別、優生思想そのものではないかとさえ感じられます。

政府は今回の水増し問題について「お詫び」を表明するとともに、速やかに調査の上、雇用率を達成することを明らかにしましたが、様々な障害特性がある障害者を、杜撰な方法で雇用を急ぎ、障害者の負担を増すことにつながらないかも心配です。

今回の水増しの発覚で国の信頼は少なからず失われるでしょう。

法定雇用率達成企業には報奨金、未達成企業には罰金(納付金)

民間企業の場合障害者の法定雇用率が達成できない場合は、一人不足すると月額5万円の給付金の徴収があり、昨年度は45471社から計295億円が徴収されたと言われます。

中央官庁が障害者雇用を水増ししても「調査をいたします」で済んでしまうのに、民間企業には納付金を納めなければならないというのは、 民間企業にとってはとても納得がいかず「金を返せ」というのも当たり前のような気がします。

また、法定雇用率以上に障害者を雇用している場合には報奨金が給付されるようです。これについても大規模な100人以上の常用労働者を雇用している企業が対象になるようです。

中小企業の場合は障害者を雇い入れた場合一定の条件により助成金が支給されるようです。

報奨金・助成金・納付金(罰金)制度の問題点

この度の中央官庁の障害者雇用水増し問題で明らかになったことの一つに、 障害者雇用率が達成できなかった企業が納付金(罰金)を 納入する先が、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構というところで、この機関が報奨金助成金を給付する機関になっているということです。

独立行政法人というのは、その多くは、高級公務員の退職先(天下り先)になっています。 果たして、このままの制度で良いのかどうかも改めて検討の課題になるものと思われます。

障害者雇用は義務化されています

障害者雇用促進法では「障害者が地域の一員として共に暮らし共に働くことを当たり前にするため、全ての事業主には、法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務があります。」とされています。さらに、平成30年4月1日からは、これまでの新身体障害者、知的障害者に加えて精神障害者も合わせて雇用義務の対象となりました。

法定雇用率について

法定雇用率が平成30年4月1日から改正となりました。

民間企業では2.2%、国と地方公共団体では2.5パーセントとなりました。

これまでの平成30年3月31日までの雇用率と比較して0.2%拡大しています。

この事は、職を求める障害者にとって朗報でありました。

ところが、何としたことでしょうか、指導的立場を取るべき中央官庁が大幅に雇用率を水増ししていたことが発覚いたしました。大変残念というより憤りを感じます。

障害者雇用率の計算方法とは

障害者雇用率を計算するときに障害者の実雇用率を計算します。

障害者の実雇用率=障害者である労働者の数÷ 常用労働者の数

常用労働者というのは1年以上継続して雇用されている労働者となります。(細かい計算方法や定義は別にありますが概ねこんなところです。)この場合雇用されている労働者には障害者も含みます。

障害者には、身体障害者、知的障害者、精神障害者となります。この場合重度障害者を雇用した場合には一人を二人分と数えることができます。

障害者雇用率の計算方法については次のサイトが詳しいです。

障害者雇用率の計算方法

まとめ

中央官庁が自ら指導しているガイドラインを破り、障害者の法定雇用率を40年以上も水増ししていたことに怒り感じます。

せっかく国際障害者権利条約が批准され、障害者への差別をなくすための施策がなされようとしている中、2016年に発生した神奈川県津久井やまゆり園知的障害者大量殺傷事件に匹敵する大問題だと思います。

今回の事件を通じ、政府には猛省を促し「障害者差別のない誰もが安心して暮らせる共生社会」実現のため努力していただきたいと思います。

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コメント

  1. キャップ より:

    私もこのニュースを目にしたとき、呆れてしまいました。
    我が国の公的機関の杜撰には怒りを通り越して悲しくなってしまいます。

    この後、きちんとした率に戻すには、胡麻化して採用した人数と同じ数の障がい者を雇用しなくてはなりません。すると、定数をはるかに超える人を雇用しなければならないということになりますね。その給与は私たちの税金から賄う訳です。

    民間では当然罰せられ、罰金を徴収されることになります。
    申し訳ありません、では済まない内容です。