7日、88歳で米ニューヨークの自宅で死去した「白覆面の魔王」ことザ・デストロイヤーさんは親日家として知られる。

米メディアによると、ニューヨーク・アクロンにあった自宅には和室があり、その自宅近くにパークゴルフと呼ばれる和風のゴルフコースを建設していたという。プロレスラーとして活躍した長男カート・ベイヤー氏も小、中、高校と日本で学校に通っている。日本のテレビバラエティー番組に登場し、人気を博したのも、日本人の笑いのツボを知っていたからだろう。

93年の現役引退後も何度も来日。日本在住時代に拠点としていた港区や麻布でチャリティーサイン会などを続けていた。11年の東日本大震災復興支援チャリティープロレス「ALL TOGETHER」のために来日し、デストロイヤー杯争奪スペシャルバトルロイヤルの立会人も務めた。17年にはプロレスラー時代から日米両国の友好親善、青少年交流に貢献してきた実績が評価され、外国人叙勲者として旭日双光章を受章している。

米シラキュース大学の教育学部出身で、同大の大学院も修了。プロレス以外でもアメフトの選手として活躍し、母校のコーチも務めていた。プロレスラー引退後には米アクロンにある高校で体育教師や水泳教室のインストラクターに就くなど指導者、教育者として活動。プロレス界ではザ・デストロイヤー、ドクターX、ディック・ベイヤーなど複数のリングネームを持っていたが、私生活でもさまざまな「顔」を持っていた。