落語『親子酒』禁酒を誓った父親と息子、飲みたくてたまらない父親は・・・

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何とかして女房に酒を出して欲しい父親の理屈が大いに笑える噺。そして息子は・・・

酒で失敗ばかりしている息子の酒をやめさせるために、自分自身も禁酒することを宣言した酒好きの父親。

息子が用事で出かけた晩、どうにも我慢ができなくなりなんとか酒を飲もうと女房にしきりにかまをかけている。

寒気がする様だとか、飲んで暖かくなる様なものは何かないか、だとか素直に酒をくれと言えないのが辛いところだ。

女房もここでの酒を飲ませたらせっかくの息子との約束が反故になり示しがつかないから、オジヤはどうだの葛湯はとはぐらかす。

諦めきれない父親がとうとう息子には分かりやしない、せめて一杯とすがりつき、女房も根負けしてしまった。シオカラを肴に冷やで一杯。

久しぶりの酒と言って涙が出るくらいにうまいうまいと連発しているうちに、あっと言う間に飲み干した。

これで満足できるようなら最初から飲もうとは思わないのが酒飲みの酒飲みたる所以。空の湯呑みを手にチラチラと女房の方を見る。

「もう一杯だめかな」

「だって一杯だけと言いましたよ」

同じ酒飲みでも息子の酒は酔い方が悪いからいけない。その点自分は酔った後はゴロンと寝るだけ布団を頭からかぶって寝てしまえば息子にバレる心配はない、などと都合のいい理屈をこねて、夫婦の情けだからもう一杯とくる。

仕様がないので女房が注ぐとうまそうに飲んで、駆けつけ三杯じゃないとだめだ、それを飲んだら最後の一杯、なんのかんのと言いながら相当に良い酔いが回ってきた。おまけに女房が寝ると言っても聞かない。

そこへただいまと息子が帰ってきた・・・。

金原亭馬生は名人古今亭志ん生の息子で、古今亭志ん朝の兄。お酒の噺が得意です。

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