豊羽鉱山に日本一遅咲きの桜があるというので、行ってみました。
2018年6月5日のことです。
札幌市内から国道230号線を通り、道道小樽定山渓線が工事のためちょっと回り道をしましたが、途中から道道京極定山渓線に入って車を走らせました。
鉱山というからかなり悪路なのかな~と思っていましたが、なんと、立派な舗装道路でした。おなじ道道でも主要道道と言いますから、きちんと整備されていました。
札幌に住んでいながら初めて通る道なので、よく知らなかったのが恥ずかしい。
ナビに豊羽鉱山と入力していましたが、なんと、到着したのは川の横の広場にいくつかの古い建物と、バックホーが働いている何かの現場のようでした。
ここは目的地とは違うなとすぐに気づいたので、改めて「豊羽鉱山株式会社」と検索してナビに経路を映し出し、再出発しました。
ずいぶんと山奥らしく、かなり車を走らせたつもりでしたがなかなか目的地に到着しませんでした。
舗装道路はきちんと整備されて続いていましたが、すぐ右脇のかなり低いところを白井川が流れており、流れも急でした。
左側は、急峻な崖が続き、ところどころコンクリートを打ち付けた崖と鹿の角のように突き出した防雪柵が不気味でした。
しばらく行くと、左側の山の上の方に、豊羽鉱山株式会社らしい建物が見えてきました。
でも、入り口に「関係者以外立ち入り禁止」の看板もあり、「日本一遅咲きの桜があると聞いてきた」とは言いづらくて、入るのをためらいました。
遠くから眺めると、桜らしきものが咲いているのはたったの1本しか見えなかったので、この会社にゆかりのある知人の名前を出して入れてもらうのもどうかな~なんてちょっと気後れしたのかもしれません。
それにしても、日本で最も遅い遅咲きの桜がある山奥です。さすがに、付近に生育している植物は、平地に比べて3週間位遅いようでした。
山肌には、やっと葉を開いたばかりのクサソテツ(コゴミ)や幼い山野草がいきいきとしていて、「シラネアオイ」や「水芭蕉」も花をつけていました。
豊羽鉱山株式会社からさらに奥に進むと、直ぐ側を流れる白井川が、すでに川幅を狭くしながら雪解け水を勢いよく運んでいました。
この京極定山渓線は京極までの道路が続いていると思いきや、もう、このあたりで通行止めの表示が出ていました。
確かに、調べてみると、かなり長い区間未開通区間となっていました。
なるほど、その昔豊羽鉱山が創業盛んだった頃、それを支援するための道路を開削するため主要道道に認定して予算をつけたのだろうと思われました。
豊羽鉱山は、当時インジウムの生産ではなんと世界一だったそうで、世界の産出量の30%を占めていたといいますからすごいですね~。
それが残念ながら深部に掘り進むうちに、地熱が高くなり、掘削するためのダイナマイトが自然発火をするに至って、創業を中止し閉山となったといいますから、なんとも惜しいですね~。
創業盛んなときは本山地区には小中学校やプールやいろいろな施設もあり、一つの街として機能していたようです。その時代に桜が植え付けられたのかもしれませんね。
きっと本山地区というところでは桜がたくさん見ることができたのかもしれません。惜しいことをしました。また来年でも行ってみようと思います。