国後島北部で撮影されたこれの右脚に、銀の細い足環が
確認されました(クリリスキー国立自然保護区HPより)
北方領土・国後島北部の「クリリスキー国立自然保護区」で、
知床地域で足環(あしわ)を付けられたシマフクロウが
見つかりました。
根室海峡の横断が確認されたのは今回が初めてのことです。
シマフクロウは1~2キロ以上飛び続けることができないため、
流氷に乗って同島に到達したとみられています。
専門家は「個体の交流によって遺伝的多様性が高まり、
種の安定につながる」と期待しています。
シマフクロウは道東地域を中心に生息。2017年度の生息数は
165羽ほどがしか確認されておらず、環境省の絶滅危惧種リスト
(レッドリスト)で「ごく近い将来に野生絶滅の危険性が高い」
とする「絶滅危惧1A類」に指定されている鳥です。
同省は保護事業の一環として1985年からこれまでに、
幼鳥計556羽に個体識別番号の付いた足環を装着しています。
シマフクロウ豆知識
一般にフクロウ類は飛ぶときには羽音はしませんが、
シマフクロウは羽音をさせて飛行します。
水辺で泳いでくる魚を待ち伏せる狩りが多いので、
羽音をさせても問題がないのでしょう。
シマフクロウは、アイヌの人たちからコタン・クルカムイ
(部落の神様)としてあがめられています。
人間の子供ほどもある我が国最大のフクロウです。
北海道東部の原生林に、ごく少ない数がいるだけで、
それも近年は激減して絶滅のピンチにある鳥です。
(右が幼鳥)
シマフクロウの伝説
シマフクロウが飛んでいると、子供が矢を射かけてきました。
神の鳥に矢を当てた者が勇気ある者の証となるのです。
シマフクロウは矢をつかんで地上におり、その子と一緒に
家に行きました。
そこにいたのは、かつて長(おさ)だった男の落ちぶれた姿でした。
しかし、神の鳥に対する礼儀正しい長(おさ)の態度に感心した
シマフクロウは、家の中を飛びながら神通力で次々と宝もの
を恵み、大きな家にかえてやりました。
シマフクロウは村の人たちのもてなしを受け、神々のすむ国へ帰り、
村は長(おさ)とともに平和で豊かな暮らしができるようになりました。
アイヌ民族に伝わる話です。
(参考:北海道新聞、サントリーの愛鳥活動HP、釧路市立動物園)
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