白井川とは
全国には白井川という名前の河川があちこちに存在します。
札幌市南区の定山渓付近を流れる白井川は、河川法では石狩川水系豊平川支流の1級河川です。
河川管理は北海道知事管理となっていて管理区間は12.8kmに指定されています。
白井川の源流は余市岳(標高1499メートル)から湧き出た水流で、急峻な山肌を削りながら定山渓付近で豊平川に合流しています。
豊羽鉱山とは
豊平川合流点から上流13km付近に豊羽鉱山があって、今は閉山していますが近年まで銅や鉛、亜鉛、イリジウムなどを採掘していました。
豊羽鉱山はその昔明治25年以前から誰かが採掘していた廃坑跡が残っていたと言われ、かなり歴史のある鉱山です。明治時代には白井川鉱山といわれ、大正時代に豊羽鉱山という名前になったそうです。
第二次世界大戦の特需によって鉱山はみるみる発展し、本山地区に大きな街ができ賑わっていました。
しかし、昭和20年ころ陥没事故が発生し白井川の水で坑内が水没、休山となりました。
その後復興機運が盛り上がり昭和26年豊羽鉱山株式会社が発足、坑内の排水処理を開始し、創業を開始しました。
昭和40年台から急速に電子部品の需要が増すに連れレアメタル生産の豊羽鉱山が脚光を浴び昭和46年には月産6万トンの生産量となったと言われます。
このころレアメタルのインジウム生産は世界の30%を占めるとまで言われました。
平成に入って、坑道を深く掘り進むうちに地熱温度が上がり、これ以上掘削は不可能との結論に至って2006年(平成18年)閉山となりました。
ただ、資源はまだ残っており、また、東日本大震災後の原発依存脱却の機運から、豊羽鉱山地区の高温の地熱を発電に利用する計画が持ち上がって、調査が進められましたが、必要な温度が得られないなどの結果から調査も中止されたと聞きます。
鉱毒問題とは
豊羽鉱山には、大きな鉱毒被害などという記録はありませんが、銅や鉛やヒ素系の鉱物が存在するところでの採掘には、廃水が川に流れ込むとか、あるいは定山渓温泉が枯渇するとかいろいろ意見はあったようです。
ある釣り人は、次のように記述しています。
「豊平川支流の白井川は、豊羽鉱山から流れ出た鉱山毒の影響で魚の棲めない川といわれている。実際に、支流の右股川との合流地点から上流は、堰堤に遮られていることもあるが、ほとんど魚の姿は確認できないようだ。しかし、堰堤から下流域は虹鱒と岩魚が棲み、週末ともなれば多くの釣人が押し寄せる。」
現在の水質と豊羽鉱山の排水処理については、札幌市白川浄水場のホームページに次の記述があり、安全に管理されているようです。
(引用)
■水質の動向
上流域には鉱山が存在し,鉱山の排出水及び鉱滓の処理について水質汚濁防止法に基づき公害防止協定書を締結している,協定書には排出水の水質基準,測定場所,測定方法,測定回数等を規定している。
更に,ヒ素及びホウ素を多く含む湧き水が、水道水源の水質に影響を及ぼしている。
■水質現況
平成18年度の豊平川白川の主な水質は以下の通り。
・pH 6.9~7.6
・アルカリ度 15~26mg/L
・EC 49~223μS/cm
・アンモニア態窒素 0.02mg/L 未満
・硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 1mg/L未満
・大腸菌 不検出~170MPN/100mL
・ヒ素 0.004~0.026mg/L
■課題等
豊平川上流にはヒ素、ホウ素等を含んだ湧き水の影響で、特に夏季の渇水期には、豊平川白川におけるヒ素、ホウ素の値が高くなることがある。またその他にも、下水処理水や休山中の豊羽鉱山など、水質汚濁を受ける可能性を抱えている。
なお、鉱山からの排水については、水質汚濁防止法により処理が行われた後、浄水場の取水口よりさらに下流に位置したところで豊平川に放流されており、問題ないと言われています。
白井川散策のおすすめ
白井川の景観は素晴らしいです。
お暇な時にぜひ行ってみてください。
山々は神秘に満ちています。
神威岳、天狗岳なんかは恐竜が住んでいそうな山ですよ。
白井川の流れは、とても美しい。鉱毒の話は別として、水もきれいです。
イワナやヤマメが住んでいて、その時期には釣り人がたくさんやってきます。
秋の紅葉もひときわきれいです。
大切な赤ちゃんやご家族などにも安心な美味しいお水を使いたい!
そんなこだわりの方々に大人気!!